医療事故ADRとは? | 医療事故 医療過誤 / 弁護士法人ALG&Associates

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医療ADRについて

医療事故ADRとは?

ADRとは、Alternative Dispute Resolutionの略で、裁判や交渉・調停と異なる選択肢となる紛争解決手続きの総称です。

ADRは、様々な分野に広がっているようですが、そのうち、医療紛争の解決のために特別に制度設計されたものが医療ADRです。

有名なものとしては、弁護士会が提供している医療ADRがあります(詳細は、各弁護士会に問い合わせてください)。

医療ADRは、弁護士会によって多少の違いがあると思いますが、概ね次のような特色を有しています。

このADRに関与するのは、基本的にその弁護士会に所属する弁護士です。

但し、公平を期するために、普段患者側の代理人として活動している弁護士と医療機関側の代理人として活動している弁護士が半分ずつ関与する、という形式になっているようです。

半分ずつの関与で中立に近づけようと工夫しているわけです。わが国の場合、患者側と医療機関側双方の案件を扱う弁護士はとても少なく、多くの弁護士が患者側又は医療機関側のいずれか一方に偏って活動しているのが実情です。

そのため、患者側と医療機関側の双方から半分ずつが関与するという形式を採用することによって、少しでも中立性を保とうとするわけです。

これらの弁護士は、裁判所の調停における調停委員に相当し、話し合いの仲介者として解決案を提示してくれます。

しかし、これまでの医療ADRの実績をみると、大きな限界があるようです。

第1に、患者側の弁護士と医療機関側の弁護士が半分ずつ関与したからといって、足して2で割るわけにもいかず、中立性の実現は理想論に終わっています。

結局、患者側と医療機関側の議論は平行線をたどり、妥協点を見いだせないからです。

患者側か医療機関側のいずれか一方に与した弁護士が関与しても、中立的な意見が出てこないのは当然です。

実際、これまでの実績だと少額和解できるような案件でしか、話し合いはまとまっていないようです。

第2に、患者側が医療ADRに申立てを行っても、紛争の相手方である医療機関側がこれに出席しないという事態も起こっている点です。

裁判所が行う調停には、基本的に当事者は出席する義務を負うのですが、医療ADRは、法律で正式に定められた紛争処理機関ではないので、これに出席する義務がないのです。

そもそも医療機関側が交渉のテーブルに着いてくれなければ、ADRといえども話し合いを開始できません。

結局、何らの話し合いも始まらずに終了するケースも少なくないのです。

要するに、医療ADRでは、中立性が担保されておらず、また出席の強制力もないことから、裁判所の調停よりも解決能力は格段に劣るとみて良いと思われます。

このように考えると、一部の美容外科系又は歯科系の少額案件以外は、医療ADRによる解決に適さないと言ってよいでしょう。

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