【癌(がん)の治療】がんの見落とし | 医療事故 医療過誤 / 弁護士法人ALG&Associates

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がんの見落とし

がんの治療 がんの見落とし

がんは必ずしも不治の病ではない

医療が目覚ましい発展を遂げた今、がんは必ずしも不治の病ではなくなってきています。
早期発見できれば根治できるがんも多く、医療が日進月歩で進歩している今日においては、益々この傾向は強まるでしょう。

そうすると、がんを治癒できるかどうかは早期発見にかかっているといっても過言ではありません。

その意味では、医療機関が患者のがんを見落とさず、早期に発見して適切な治療に着手することができるかどうかが患者の生命予後を左右すると言っても過言ではありません。

このような文脈で考えると、いわゆる「がんの見落とし」は、このようながん根治の機会を逃し、患者の生命予後を著しく悪化させてしまう重大な過誤と言えるでしょう。

がん見落としの契機

がんの見落としは、大きく分けると、①健康診断、②他疾患の検査、③がん検診で起こります。

このうち、がんを見落としやすいのは、健康診断と他疾患の検査です。

健康診断の問題点は、担当医師が大量の画像を短期間の間に読影していかなければならない点です。

担当医師ががんの専門家であるとは限らないし、仮にがんの読影に熟練している医師でさえもがんを見落としてしまうことがあります。

他疾患の検査の場合は、健康診断とは異なる事情があります。

このようなケースでは、健康診断のような大量の画像を読影するなどといった事情はなく、多くの場合精密検査ですから、かなり慎重に検査結果の評価が行われます。

ただ、問題はがん以外の特定の疾患の検査のために行われているため、医師の意識が基本的にがんを発見することに向けられていない点です。たまたまがんの陰影が写っていてもつい見逃してしまうのです。

これに対し、いわゆる「がん検診」は、まさにがんの発見に医療機関の注意が向けられているため、がんの見落としが最も少ないと言えます。

もっとも、最近ではがん検診が普及しているため、会社の定期健康診断のような大量画像読影を前提としたがん検診もあります。

このような場合には、通常の健康診断と同様の問題を抱えているので注意が必要です。

がんの見落としと裁判例

職場の定期健康診断における肺がんの見落としに関する東京高判平成10年2月26日では、画像を読影する医師に課される注意義務について、「大量のレントゲン写真を短時間に読影するものであること」を考慮して、医師に課される注意義務の程度にもおのずと限界があるとして、その注意義務を軽減しています。

しかも、この時に読影医に課される注意義務の程度は、一般臨床医に課される注意義務であると判示しています。

つまり、仮に当該読影医が画像診断につき豊富な経験を有していたとしても、また肺がんの専門医だったとしても課される注意義務が重くなるわけではないということです。

この判例からは、大量の画像読影を前提としている定期健康診断においては、がんの見落としにつき、医療機関の責任を問うことは必ずしも容易ではないことが示唆されています。

次に、他疾患の検査の際にがんを見落としたという事例ですが、弁護士法人ALGで実際に取り扱った悪性リンパ腫の見落とし事例があります。

この事件は胆石の検査のために腹部のCT検査を行った事例ですが、CTにはバッチリ悪性腫瘍の陰影が写っていました。

この事例でも、医師の注意義務ががんの発見に向けられるべきか否かが争点となりましたが、裁判官の説得が奏効して、患者側の勝訴的和解で終了することができました。

ただ、この事案では、がんの腫瘍径が7㎝を越えているという事情がありました。

もし見落とされたがんの径が2㎝程度だったら、勝訴的和解できたかどうかは分かりません。

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