【癌(がん)の種類】乳がん | 医療事故 医療過誤 / 弁護士法人ALG&Associates

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乳がん

がんの治療 乳がん

乳がんの定義

乳管や小葉上皮から発生する悪性腫瘍。

乳管由来のものを乳管がん、小葉上皮由来のものを小葉がんという。

疫学

  • 40歳代~60歳代の女性に好発。40歳代のがんでは最多。発症のピークは50歳代後半。
  • 日本人女性の発症率では、胃がんを抜いて第1位。
  • 毎年約4万人の女性に発症している。

危険因子

  • 食生活の欧米化
  • 肥満
  • 初経が早い
  • 初産が30歳代以上
  • 出産経験がないか、少ない
  • 家族に乳がん患者がいる

病態生理

  • 発生部位は、乳管がんが約90%、小葉がんが約10%である。
  • 乳癌は発生部位と進行度によって、非浸潤性乳管がん
  • 浸潤性乳管がん
  • 非浸潤性小葉がん
  • 浸潤性小葉がんに分類される。
  • 浸潤性乳管がんが最多である。
  • そのほかに炎症性乳がん、Paget病がある。
  • 乳がんは一般的に進行が遅いが、微小転移しやすく全身に癌細胞が転移しやすい

病期分類

TNM分類

Ⅰ期

T1 N0 M0

ⅡA期

T1 N1 M0

T2 N0 M0

ⅡB期

T2 N1 M0

T3 N0 M0

ⅢA期

T1 N2 M0

T2 N2 M0

T3 N1 M0

T3 N2 M0

ⅢB期

T4 N0~N2 M0

ⅢC期

anyT N3 M0

Ⅳ期

anyT anyN M1

治療

■1 治療方針

  • 腫瘍径が4㎝以下、広範囲な乳管内進展がない、明らかな多発がんではない、広範囲な石灰化がない場合は、乳房温存手術の適応がある。
  • 腫瘍径が4㎝以上だが、術前化学療法で腫瘤が縮小それば乳房温存手術の適応がある。
  • 腫瘍径が4㎝以上、広範囲な乳管内進展がある、多発がんである、広範囲な石灰化がある、放射線治療を施行できない事情がある(妊娠など)場合は、乳房切除術が適応となる。
  • 全身に転移しており手術による根治を望めない場合には、化学療法、ホルモン療法、放射線治療などが適応となる。
  • 画像診断の結果、転移の可能性がないか、センチネルリンパ節生検の結果、陰性であればリンパ節郭清は行わない。
  • 画像診断の結果、転移の可能性があるか、センチネルリンパ節生検の結果、陽性であればリンパ節郭清を行う。

■2 治療方法

① 乳房温存手術
  • 乳房温存手術とは、乳頭、乳輪を温存し、腫瘍を中心とした乳腺を部分的に切除する術式。
  • 腫瘤摘出術は、腫瘤を範囲のわずかな乳腺組織と共に切除する術式。
  • 乳房円状部分切除術は、腫瘤から2㎝程度離して乳腺組織を円形に切除する術式。
  • 乳房扇状部分切除術は、腫瘤を含む乳腺組織を扇状に大きく切除する術式。
② 乳房切除術
  • 胸筋温存乳房切除術は、乳房切除は行うが、大胸筋・小胸筋は温存する術式。
  • 胸筋合併乳房切除術は、乳房切除・リンパ節郭清を行うと共に、大胸筋・小胸筋も切除する術式。
③ センチネルリンパ節生検(SLNB)
  • センチネルリンパ節生検とは、術前・術中にセンチネルリンパ節のみを摘出し、がんの転移を調べるために行われる。
  • センチネルリンパ節生検の結果、がんの転移が認められなければ、それ以降のリンパ節にも転移がない可能性が高く、リンパ節郭清を省略できると考えられている。
④ 放射線治療
  • 乳がんは、一般的に放射線治療に対する感受性が高い。
  • 乳房温存手術では、必ず術後に放射線を照射する。
⑤ 化学療法
  • 乳がんは微小転移により全身に転移しやすいので、化学療法による全身療法が重要と考えられている。
  • アンスラサイクリン系、タキサン系の抗がん剤が主に使用されている。
⑥ 分子標的薬
  • 乳がんに対する分子標的薬は、トラスツズマブ、ラパチニブが使用されている。
⑦ ホルモン療法
  • 乳腺は女性ホルモンであるエストロゲンの作用により増殖するので、ホルモン療法によって、このエストロゲンの作用を抑制することで乳がんの増殖を抑える。

生存率

  • 病期Ⅰでは10年生存率が約90%、病期Ⅳでは約20%である。
  • 最近では、遠隔再発後の余命が5年に延びている。

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