【具体例】出産後の問題である「核黄疸」 | 医療事故 医療過誤 / 弁護士法人ALG&Associates

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出産後の問題である「核黄疸」

出産後の問題である「核黄疸」

黄疸と核黄疸

生後2~3日すると、殆どの新生児は皮膚が黄色くなります(黄疸)。

大半は胎内生活から、胎外生活への適応過程で一時的に生じる生理的なもので、出生後約1週間後には、黄疸も徐々に消失していきます。

しかし、核黄疸(血液中の黄疸色素(ビリルビン)が新生児の脳の神経細胞に入り、その細胞の機能を破壊することによって起きます)のように、脳性麻痺の原因を作る重症黄疸もあり、核黄疸の場合、早期発見(発病後2~3日以内)・交換輸血等の対応をとることによって、重篤な障害を防ぐことが可能になる為、消失していく一時的な黄疸なのか、核黄疸なのかの見極めが重要となります。

核黄疸の症状

■1期(発病から2~3日)

筋肉の緊張の低下、補入力の減退、Moro反射減弱

■2期(発病から3日~1週間)

発熱、四肢硬直、後弓反張(身体が後方へ弓型にそりかえること)、痙攣、落陽現象(瞳が下方に沈んでいく症状)

■3期(発病1~2週間以降)

第2期の症状の減退・消失

■4期(発病1年~1年以降)

アテトーゼ(脳性小児麻痺)、難聴、知的障害等、永続的な後遺症 1期の時点で適切な治療がなされることにより、重篤な障害を防ぐことが可能になるため、最も重要な時期とされています。

判例(最高裁平成7年5月30日)

被害者は、未熟児で、かつ、黄疸の認められる新生児を退院させた結果、新生児が核黄疸に罹患し、脳性麻痺の後遺症が生じた事案です。

医師は、退院させるに際し、何か変わったことがあったらすぐに診察を受けるようにとの注意を与えたのみで黄疸には特に言及しませんでした。

この事案において、1審及び2審とも、退院時において特に核黄疸の危険性について注意を喚起したり、退院後の療養方法について詳細な説明等をする注意義務はなく、何か変わったことがあったら医師の診察を受けるよう注意すれば足りるとして、医師の過失を否定しました。

しかし最高裁は「新生児に黄疸が認められる場合には、それが生理的黄疸か、あるいは核黄疸の原因となり得るものかを見極めるために注意深く全身状態とその経過を観察し、必要に応じて母子間の血液型の検査、血清ビリルビン値の測定などを実施し、生理的黄疸とは言えない疑いがあるときは、観察をよりいっそう慎重かつ頻繁にし、核黄疸についてのプラハの第1期症状が認められたら時機を逸することなく交換輸血実施の措置を執る必要があり、未熟児の場合には成熟児に比較して特に慎重な対応が必要である」と述べて、「何か変わったことがあれば医師の診察を受けるように」との一般的な注意を与えたのみでは、注意義務を尽くしたとはいえないとして、医師の責任を認めました。

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