【具体例】鉗子分娩の手技と医療過誤 | 医療事故 医療過誤 / 弁護士法人ALG&Associates

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鉗子分娩の手技と医療過誤

鉗子分娩の手技と医療過誤

難産と急速分娩

分娩所要時間が初産婦で30時間を、経産婦で15時間を超えると、遷延分娩の状態=難産となります。

分娩経過中に母児に危険が生じ、自然の分娩の進行を待っていられない場合、分娩経過を短縮し直ちに児を娩出させる必要があります。

急速分娩方法の決定

急速分娩方法を決定する際の要素の1つに、分娩進行状態があります。

分娩進行状態は、例えば、児頭の下降度を評価するDe Leeのstation方式によって行われますが、児頭が出口部に近いと(station+2以上)、鉗子分娩・吸引分娩といった分娩方法が、児頭の位置が出口部から離れていると、帝王切開といった分娩方法が決定・選択されます。

吸引分娩・鉗子分娩

分娩第2期(子宮口全開大以降)、胎児を経腟的に急速分娩させる手技には吸引分娩と鉗子分娩があります。

但し、①母体が処置に耐えられること、②児童骨盤不均衡がないこと、③station+2以上であること、④胎児が生存していること、⑤子宮口が全開大であること、⑥破水していることの1つでも要件を満たさない場合には、吸引分娩・鉗子分娩は避けなければなりません。

更に、吸引分娩は手技習得が容易で軟産道損傷の頻度が低いというメリットがある一方で、牽引力は鉗子分娩よりも強くないというデメリットがあります。

逆に、鉗子分娩では、児童の牽引力が強い一方で、軟産道損傷の頻度が高く、手技も習得困難、児顔面損傷の恐れもある等のデメリットがあります。

鉗子分娩の手技と医療過誤

(1) 鉗子分娩によって、子どもの右眼球の角膜は分娩直後から灰白色に混濁し、右額部及び左顎部には鉗子による損傷が残った事案について、東京地裁昭和63年9月27日判決は、医師が鉗子分娩術を選択するにあたり鉗子分娩術を選択する全ての条件を満たしていたこと、及び鉗子分娩術に過失はないと判じています。

(2) また、鉗子分娩後に児が分娩障害による頭蓋内出血により死亡した事案(東京地裁平成元年4月26日判決)は、鉗子分娩施行に主要な条件を充足していた以上、医師が鉗子分娩の方法を選択したことは産科医師として許容された裁量の範囲内の行為であり過失があったということはできず、また、鉗子分娩開始から児の牽出までわずか約三分の短時間で終了していて鉗子操作が順調に行われたと考えられること等から、鉗子操作を直接の原因として児の頭蓋内出血が生じたと考えることには強い疑問が残るといった理由から、直ちに鉗子分娩の手技が稚拙で未熟であったとはいい難いとし、医師の過失を否定しています。

妊娠具体例

微弱陣痛と陣痛促進剤の投与 胎児が骨盤位の場合の分娩と… 鉗子分娩の手技と医療過誤 常位胎盤早期剥離と胎児の死亡 羊水塞栓症を原因とするDICと… 帝王切開術後の出血性ショック… 出産後の問題である「核黄疸」

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