【必読】医療事故・医療ミスの種類 | 医療事故 医療過誤 / 弁護士法人ALG&Associates

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医療事故・医療ミスの種類について

医療事故・医療ミスの種類について

一言で、医療事故・医療ミスといっても、様々な種類があります。

医療事故・医療ミスの種類としては、主に次のようなものがあります。

手技ミス

手技ミスとは、主に外科領域における手術等の過程で、医師がミスを犯して、患者さんが死亡又は重度の後遺障害を残してしまうなどという結果が生じた場合です。

裁判などで比較的多いのは縫合不全です。

"手術等"としたのは、手技ミスは厳密に言うと、手術に限られるわけではなく、侵襲性の高い検査などでも起こります。

例えば、内視鏡による大腸検査で、検査中に腸管を穿孔(腸を突き破ってしまう等)した場合が挙げられます。

一般論として言えば、手技ミスで医者の過失を主張・立証するのはけっこう難しいと思います。

先ほどの大腸内視鏡検査の例で説明してみたいと思います。

内視鏡検査の手技ミスで、よく患者側の弁護士さんが主張する過失は、「腸管を穿孔しないように、愛護的に内視鏡を操作すべき注意義務があるのに、同注意義務を怠った過失」というものです。

要するに、「医者が乱暴な操作をしたから腸管穿孔が生じたんだ。もっと丁寧にやればこんなことは起こらなかったはずだ」と主張しているわけです。

しかし、愛護的に、とは具体的にどうすればよかったのでしょうか?

内視鏡検査を実施した医者は、当然「丁寧にやったつもりだが、それでも穿孔したんだ!」と反論してきます。

そもそも病院で内視鏡検査を受ける患者さんは健康な人たちではありませんし、高齢者も多いはずです。

腸管が脆弱で穿孔しやすくなっていれば、愛護的に内視鏡を操作したって、穿孔するときにはしちゃうんです!

結局、中立的な医者がみてもよくわからず、その時の感触なんて、実際に手技を行った医者本人にしかわからないことも多いのです。

したがって、患者側の過失の主張がもっぱら手技ミスで、他の過失を組み立てられない場合には、裁判はかなり厳しい闘いとならざるを得ません。

診断・治療の遅れ

診断・治療の遅れとは、例えば、必要な検査をしなかったために診断が遅れたとか、あるいは検査をしたけれども異常所見を見落としたような場合です。

診断が遅れれば当然治療も遅れますので、診断と治療は基本的にセットで考えられますが、ポイントは診断の遅れです。

これは多くの裁判で患者側の弁護士が主張する争点と言えます。

この争点は、患者側の弁護士にとって比較的主張を組み立てやすいという特徴があります。

というのも、検査義務や所見の見落しは、診療録等から客観的に指摘しやすいからです。

しかしながら、主張の組み立てやすさがそのまま立証のしやすさにつながるかというと、そうとは限りません。

典型的な例で、癌の見落しを考えてみましょう。

例えば、単純胸部X線写真で、「ここに異常陰影が認められます。これを見落としてますよ。」というアドバイスを協力医からもらえれば、割と簡単に癌の見落しを指摘できます。

ところが、画像の所見を異常と評価すべきか正常と評価すべきかについては、どうしても画像を読影する医師の主観が入りますので、協力医が「これは異常所見です」と説明してくれても、別の医師が診ると、「いやいや、正常所見の範囲内ですよ」ということもよくあるのです。

どの医者が診ても明らかに異常と言える場合ばかりであればよいのですが、実際には微妙なものも多いのです。

したがって、立証に苦労する場合も少なくありません。

しかし、そうは言っても、他の過失よりは主張を組み立てやすく、また、実際に医療ミスの中で、この過失が占める比重も大きいと思われるので、患者側の弁護士としては、しっかり検討しておかなければならない論点です。

転医・転院義務の懈怠

例えば、ある患者さんが、ひどい腹痛のため大学病院に行ったとします。

腹痛なので、とりあえず消化器科を受診しましたが、いろいろ検査していくうちに、どうやら腹痛の原因は循環器疾患の可能性があることが分かりました。

循環器疾患の疑いが強まっているのに、消化器の専門医がこのまま診療行為を続けるべきではないので、速やかに患者さんを循環器の医師にみせる必要があるかもしれません。

もし、そのような義務が肯定されれば、この消化器の医師には、転医義務があることになります。

また、ある患者さんが頭痛や軽度の意識障害で、近所の小さな病院に診察を受けに行ったとします。

その診療所の医師が診察したところ、脳出血の疑いが出てきました。

ところが、残念ながらその小さな診療所には、CTやMRIなどの設備がありませんでした。

そうであるならば、それらの医療機器が完備されている大きな病院に患者さんを転送すべきと言えそうです。これが転院義務の問題です。

現実の医療現場では、医師がこのような転医・転院義務を怠ったために、患者さんが適切な治療を受ける機会を逃してしまい、死亡などの重大な結果が発生して紛争になる、ということがけっこうあります。

このような事態が起こる背景には、医療の高度な専門性があります。

専門性が高いことは、本来患者さんたちにとって良いことだと思うのですが、逆に専門外のことが分からない医師が増えていくことも意味しています。

どのようなタイミングで転医・転院義務を認めるべきかについては、けっこう難しい問題で医療裁判でもしばしば紛糾します。

説明義務違反

今の時代は、いわゆるインフォームド・コンセントの時代です。

治療は医師を信頼して全てお任せ、という時代ではありません。

しかも、患者さんの権利意識も高まり、この説明義務違反というのは、医療裁判でもよく問題になります。

しかし、患者側の代理人として医療機関に責任追及をする弁護士が、この"説明義務違反"をメインの主張として裁判を起こすことは実際にはそれほど多くはありません。

ところが、メインではないとしても、ほとんどの裁判で、患者側の弁護士は説明義務の主張を展開します。

なぜメインの主張にならないのかというと、説明義務違反の主張では、因果関係が認められない場合が多いため、少額の賠償義務しか認められない結果に終わることが多いからです。

どういうことかというと、例えば、手術を受ける前に合併症の説明を十分に受けておらず、術後に重大な合併症が生じて不幸にも患者さんが死亡するというトラブルが起こったとしましょう。

確かに、このような場合、説明義務違反はある、ということになりそうですが、では、合併症のリスク説明をしっかり受けていたら、その患者さんは本当に手術を受けないという選択をしたのでしょうか?

その手術が患者さんの命を救うために必要な手術であったならば、おそらく説明を受けていても、その患者さんは手術を選択したと思います。

そうすると、結局、患者さんは、重大な合併症のリスクに関する説明を予め受けていようといまいと、いずれにしても手術を受けたはずであるから、その患者さんが合併症で死亡したのは、医師の説明義務違反のせいではない(言い換えれば、医師の説明義務違反と患者の死亡との間には因果関係がない)ということになってしまいます。

したがって、結論としては、説明義務を怠った医師に損害賠償を支払う責任はないというのが原則になるのです。

ところが、そうは言っても、医師が説明義務を尽くしていないことは事実ですから、患者さんは重大な合併症のリスクをちゃんと認識して手術を受けたわけではないことも否定できません。

そこで、このような場合に、因果関係はないけれども、説明義務を怠った医師は、患者の自己決定権を侵害したとして、少額ですけれども損害賠償の支払を命じるというのが現在の医療裁判実務となっています。

ということで、患者側の弁護士としては、これをメインの主張として位置づけることはできないが、敗訴するよりはマシなので、この説明義務違反も主張のひとつに加えておく、という活用の仕方をしてしまうのです。

要するに、訴訟戦術のひとつに過ぎないわけです。

このような説明義務違反にあまり過度の期待は出来ません。

管理監督上のミス

管理監督上のミスとは、例えば患者さんが病院のベッドから転落したり、食事中に誤嚥を生じさせ窒息死させてしまうなど、病院に管理監督上の責任が生じる場合もあります。

このようなものは、純粋な医療過誤事件とは異なるのですが、ベッドから転落した患者さんに対する処置や誤嚥を生じた患者に対する処置は、医療機関として適切であったか否かが争われる場合に、少なからず医学論争に発展するケースもあります。

したがいまして、このようなケースも、医療裁判を専門とする弁護士が担当した方がよいと考えております。

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